tattooの技術
刺青に関する用語
手彫り(テボリ)
柄の先で針を束ね、手を動かして肌に墨を入れる。
羽彫り(ハネボリ)
手彫りのテクニック。針を皮膚に刺した後、針先を跳ね上げることで、穿孔が広がり色素が多く入る。
突き彫り(ツキボリ)
手彫りのテクニック。
隠し彫り(カクシボリ)
腋下・内股など他人には見られにくい場所に、花びらなどで隠れた名前や言葉、淫靡な絵を彫る。
毛彫り(ケボリ)
人物や動物の毛の部分を彫ること。通常よりも細い針で彫ることが多い
筋彫り(スジボリ)
下書きとしてボカシの前に全体のアウトラインを彫る。
ボカシ(あけぼの)
墨の濃淡や各色を用いて、全体を彫っていく。
ツブシ
塗りつぶすこと
シャッキ
手彫りの音
マシーン彫りの様子
機械彫り(キカイ・マシーンボリ)
マグネットの磁力または、モーターのロータリー運動を用い、機械の上下運動により肌に針を刺す。束ねられた針には、浸透圧により墨が蓄えられる構造。
半端彫り(ハンパボリ)
彫りの痛みに耐えられなかったり、費用が続かないなどで、絵が途中までで終わっていること。
白粉彫り(オシロイボリ)
血行が盛んになると浮き出ると言われている彫り物のこと。創作上の話であり、現実には不可能である。蛍光塗料を用いて、ブラックライトに浮かび上がる刺青は存在するが、やはり通常の状態でも絵の存在は見える。
尚、マシーンを使ったから「洋彫り」、手で彫ったから「和彫り」とは一概に分類できず、絵の画風や全体の様子で判断する。和風の絵でも筋(アウトライン)はマシーンで、ぼかしは手彫りで行うなど、手法は彫師により千差万別である。
芸術性
日本の刺青は海外での評価も高く、その歴史や伝統の継承なども含めて、多くの賞賛と尊敬を受けている。
現に、2008年ロサンゼルスにて行われたBODY ART EXPO LOS ANGELSでは、福岡の彫洋がベストバックアーティスト賞の1位を受賞している。
欧米では漢字を入れるタトゥーも流行っているが、漢字を母国語として使用する人々からみると、その意味などが奇妙に見えてしまうこともある。
同様の事は日本の梵字ブーム についても当てはまり、彫師が梵字の意味を知らないまま依頼者の信用へ重大な影響を与えかねないデザインを入れてしまった例もあり、彫師の言葉を鵜呑みにせず、彫る前に知識のある人に確認するなど慎重な検討が必要である。
美容用途
女性の眉や唇などに針の深度を浅くしたアートメイク・タトゥー(数年で薄くなるが完全に消えはしない)を施すほか、南アジアやアフリカの女性が施すヘナ(植物性の染料)を用いて手に模様を描く(染料なので消える)事が行われている。
TATsと呼ばれるエアブラシを用いて皮膚表面に色素を定着させ、針を使った刺青に近い描画を可能とした技法も存在する。この手法では一度描いた文様を油性溶剤を用いて消し去り、新たに描き直す事も可能であるため、一般的な刺青では忌避されるようなデザインであっても大胆に描く事が可能であり、刺青を入れる前にデザインが自分に合うかどうか事前に確認する用途にも用いる事ができる。
また、神社の祭礼時の出店などで良く売られている、模様の印刷された極薄のフィルムに超微粒子の顔料を使用した、プラモデルの耐水デカールの様に肌に転写する「タトゥーシール」もあり、ファッションの一部として用いられているが、こうした“消せるタトゥー(刺青)”の存在が「刺青は消せないが、タトゥーは消せる」といった誤った認識を一般人の間で蔓延させる要因ともなっている。
美容用途の刺青は人間以外に対しても行われており、色素が薄い白毛の犬などの鼻部に生じてしまう白斑を隠すために黒色の刺青を施し、ドッグショーでの評価を上げるケースなどが知られている。
医療的側面
オートクレーブ(加圧加熱減菌)などでは、血の固まりの中のウイルスや変質した蛋白質を死滅させる事はできず、通常の針の殺菌・滅菌処理では、ウイルスの感染を防げないことを知らない施術者たちが、不衛生な設備で施術を行っている。特にC型肝炎の伝染に注意する必要が有る。
また、刺青を入れた者に対してはMRI検査を行うことはできない。これは刺青に用いられる色素に微量な金属が含まれるためで、知らずにMRI検査を受けてしまうと火傷を負ったり、刺青が変色したりする場合があるため、トラブルを避ける目的からも、事前に問診表などで確認される。
美容外科では以前より刺青除去の手術がおこなわれているが、肌の表面を削りガーゼで顔料をすいとる方法を繰り返したり、自家植皮をしたり、小さければ縫い合わせたり、レーザーで色素を分解したりする。
これらの除去手術は手術痕が残る上、再三に亘る手術が必要であり、患者は苦痛に耐え続ける必要があり、保険非適用であるため多額の費用が必要となり、難治療であるとされる。
刺青を入れる際は、こうした事情を十分に考慮する必要が有る
法的側面
刺青に対する法的規制は、敗戦後の1948年(昭和23年)の新軽犯罪法の公布とともに解かれたため、現在の日本では刺青そのものに対する規制は存在しないが、現在でも、刺青を入れた者は暴力団構成員と認識され、公衆浴場や遊園地、プール、ジム、ゴルフ場等への入場を断られる事がある。
また、各都道府県・自治体の青少年保護育成条例等によって、未成年者に刺青を施す行為が禁止されている地域があり、発覚した場合には彫師が処罰される。
司法当局は刺青の有無を当人の社会的スタンスを示す明確な指標として認識しており、逮捕された者は留置施設において刺青の有無確認とその写真を撮影される。
警察・検察での取調べや公判に際しては、刺青の存在が担当官の心証に反社会的性向の象徴として捉えられるため、結果として量刑に影響を与える事が多い。
刺青がかつて刑罰のひとつだった事や、現在でも暴力団関係者の象徴として一般的に認識されている関係から、良い印象は持たれておらず周囲の人々から悪い噂を立てられる事が多い。
刺青が原因で勤務先からマイナス評価を与えられ [17] たり、懲戒解雇の対象とされたり、コンプライアンスの観点から業務契約を破棄されたり、と社会生活上様々なリスクを負うケースも多い。
また、生命保険会社は暴力団関係者の加入を断っているため、申込者に刺青がある事が明白な場合、その加入を断るケースもある。